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[元記事]
司会『さて、今年も始まりました、心の広さ選手権。前回まで司会を務めていた山田の引退に伴いまして、私加藤が新しく今年から司会を務めさせて頂きます。解説は今までに引き続き、深山先生です。』
解説『どうも、深山です。下等さん、宜しく。』
司会『……加藤です。』
解説『あ、そうでしたね。ご免なさい下等さん。』
司会『……』
解説『さあ、今年も第88回心の広さ選手権、始まりましたねえ』
司会『第88回目は今日だけでしょう』
解説『いいえ、違います。第88回心の広さ選手権は今年で54回目です。』
司会『は?』
解説『この選手権は、峠八十八氏の発案によって、54年前の今日、スタートしたわけですが、その八十八氏の名前を記念して、第8回から枕詞として第88回をつけて呼ぶように義務づけられたのです。』
司会『はあ。そう言う物ですか。では説明ついでに、この選手権の歴史について、深山さんに解説して頂きましょう。』
解説「はい。この選手権は峠八十八氏の発案により、54年前にスタートしました。戦争の痛手から人々が復活してきた頃でした。そのころの人たちには、もっと心の休息が必要だったのです。」
司会『成る程。その様な背景があったのですね。』
解説『最初の内は、なかなか参加者が集まらず困っていたのですが、回を重ねる毎に段々と増えていきました。そして、第14回では1000人を数えました。司会s、そうすると同率の人が出てきて、俺の方が実は上だ、イヤ俺の方が……という争いが出てき、連続殺人事件にまで発展しました。』
司会『・・・』
解説「事件は次々と起こっていきます。謎の予告電話、深まる謎。次々殺されていく容疑者……果たして犯人を見つけることが出来るのか……!?」
司会「……話を戻して下さい。」
解説『あ……はい。めんどくさいなあもう。そこで、同率の者がでないようにするにはどうすればいいのか、皆が悩みました。そこへ、私が楕円幾何の世界をもって登場したわけです。』
司会『楕円幾何……?』
解説「一応解説しますと、楕円幾何と申しますのは、ユークリッドの第五公準、またの名を平行線の公理と呼ばれる物を否定した、非ユークリッド幾何学の一種です。平行線の公理というのは、有る直線に対して、その直線上にない点を通りその直線に平行な直線は一本だけ鹿内の云う直線だらけの公理です。これを否定した楕円幾何には、平行な直線という物が存在せず……」
司会「zzzzzz」
解説「おきろ」
司会「zzzz」
解説「喰うぞ」
司会『あ、すいません!思わず寝てしまいました!……ところで先生、もうそろそろ終わりにして頂かないと……』
解説『おっと、時間が来てしまいますね。まあ早い話が平行線が存在しない、転じてお互いの実力が平行線をたどることのないというまあ、一種の駄洒落ですな。がっはっはっは』
司会「……」
解説「あ、選手が入場してきましたよ」
司会「あ、その様ですね。さて、いよいよ始まって参りました第五十四回第88回心の広さ選手権。まず第一番目から入ってくるのは、期待の新星森山之慎太郎。以下ゾ続々と優勝候補質が入場してきます。」
解説「日本全国からかなりの倍率を勝ち抜いてきましたからねえ。どれも兵ですよ」
司会「さて、選手全員フィールドに着きました。そして、いよいよスタート!
おや、期待の新星森山、まず一気に面積を伸ばしていくぞー!?」
解説「はい。これが森山選手の戦法、超膨張性戦略ノビールノビールです。まず一気に自分の心を押し広げ、他の人の取る隙を与えないようにしているのです。」
司会「成る程。おや、そこに猛然と向かっていくのは、好み血20年の大ベテラン、通称青の金山だあああ」
解説「これも金山の得意とするところで、勢いよく拡がってくる相手に対して此方も勢いよくぶつかっていくことで相手の膨張を止め、更にはその反動で相手の広さを小さくするという物です」
司会「中央で激しい戦いを繰り広げている金山と森山ぁ。火花が散ってそのところに他の選手は飛び込めません!っと森山油断していたあ、末端の方から意識がそれている間に、黒い騎士の異名を取るリアティーが攻め込んでいる!」
解説「これも上手い。リアティーは良くこのようにして奇襲攻撃を仕掛けてくることで有名です。」
司会「さあて、どうする森山あ!勢いが衰えてきたぞー。リアティーと金山に挟まれどんどん縮んで行くぞーーーこのままでは森山は潰されてしまうのではないでしょうか?」
解説「いえ、彼はこのようなことに備えて、必殺技を準備してあると云うことでした。もしかしたら、それを使えば……」
司会「そうなんですか。さあどうする、森山!このままでは潰されてしまうぞーー!」
解説「あ、きました!これでしょう。」
司会「おーっと、森山潰されたかに見えたが、そこから一転、三者せめぎ合いのところがどんどんのびていく!っと、屋根を突き破りました!」
解説「これはかなり歴史的な瞬間ですね。今までの歴史の中で、2次元を離れて3次元へ持って行く選手は初めてです。」
司会「これはすごい!さあて相当伸びてきましたっ!森山まだまだ伸びるがほかの二人は限界が近づいてきている!」
解説「これは、二人がどう対応するか見物ですね。あれほどノバされたらもう離れられませんよ。」
司会「おおっとーー!?金山、いきなり回転し始めたぞー!?」
解説「無限に長い棒を回転させると、その周りでは過去と未来がつながってしまいます。もしかしたら、それを利用して、のbされてしまったのを逆手にとった戦略かもしれません。」
司会「なるほど……っといっている間に、棒の周りから歴代の優勝者が!」
解説「彼らに協力してもらうのでしょうね。」
司会「おや、段々回転している三人が倒れてきたぞー……完全にひっくり返りました。……おや、その真ん中に向かって周りのその他大勢の心が吸い込まれていく!」
解説「ブラックホール効果ですねえ。」
司会「ブラックホール効果……?」
解説「即ち、アインシュタインの目です。」
司会「はあ」
解説「つまりこちら側から見ればてっぺんは伸びています。しかしそれを逆から見て、更に視点を頂点に移すと、それは自分が無限に落ち続けているのと同じです。即ち、ブラックホールの特異点です。」
司会「ZZZzZZzzzz」
解説「おきろ」
司会「zzzzz」
解説「喰うぞ」
司会「はっはいっ。すいません、何か熱が出て一瞬寝ていました。つまり、ブラックホールに変わった、と?」
解説「そういうことです。ブラックホールになればありとあらゆる物を吸い尽くせますからね。」
司会「成る程、となると他の人には勝ち目が……おや?向こうから大群を引き連れてやってきたのは地獄の申し子、ジゴローだ!」
解説「これは見物ですねえ」
司会「おや、ブラックホールに近づくと……色々な物を投げ込み始めたっ」
解説「むむ、これは……なるほど。」
司会「どういう事なんですか?」
解説「先ほど、ありとあらゆる物を吸い尽くせると云いましたが、正確にはブラックホールには限界があるのです。その限界を超えるとブラックホールは蒸発して消えてしまいます。」
司会「ということは……それをやらかそうとしていると云うことですか!?」
解説「あり得ますね。一方では過去や未来から勝者が続々と召還されています。彼らを人柱にして、三人もろとも消滅させてしまう作戦かもしれません」
司会「すごい・・・」
解説「ブラックホールが蒸発しました。」
司会「とうとう決着がついたようです。ありとあらゆる物をブラックホールに投げ込んだ結果、横から来たジゴロー選手がまさかの大勝利を収めました!」
解説「今回の戦いは素晴らしい。2次元から、一気に3次元イヤ4次元はたまた10次元と、すさまじいことになりました。しかし、これでは何でも有りになって仕舞いアンフェアです。」
司会「今後の課題、ということですか?」
解説「いえ、もう考えてあります。」
司会「一体どうすると?」
解説「トポロジーの世界に持ち込みます。」
司会「さて、第54回第88回心の広さ選手権、会場全体を飲み込むすさまじい戦いでしたが、今年も終わりの時間が近づいて参りました。次の勝者は、あなたかもしれません。それでは、またお目にかかりましょう。」